#自然農 #リジェネラティブ農業 #環境再生型農業 な #家庭菜園 に挑戦中!

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)・自然農の考え方で家庭菜園

【学び】「畑を耕す」ということと、「 #不耕起 」という考え方。 #自然農 を始めてみた我が家の家庭菜園の実際。 2023.05.25

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  誰もが当たり前にしている「畑を耕す」とは、どういうことなのでしょうか。

 

 

 我が家の畑の話をします。

 

 以前、私が「自然農」などと言いだして畑の世話をするようになる前には、母が一生懸命にこの畑の世話をしておりました。春には畑の全面を耕し、…まあ、高齢になってからはこの耕す作業が大変になってきまして、私が代わりにやっておりましたが、これがとにかく大変で…(泣)。耕すのが終わると、ホームセンターで購入してきた堆肥を混ぜ込む作業です。これがまた大変でして…。その後、畝立てをして、苗を植えたり種を蒔いたりしてからも、母は丁寧に雑草を引き抜き、キレイに畑を管理しておりました。半日でバケツ何杯分もの雑草を処理することもありました。これを運んで敷地の隅に積み上げたり、ゴミとして出したりしておりました。作物の成長に合わせて化学肥料を入れたり、農薬を撒いたり、それらも全て母がやっておりました。いわゆる、一般的な家庭菜園のやり方ですね。慣行農法といって良いと思います。

 それで収穫はと申しますと、年によって出来不出来はあったものの、素人にしてはそれなりに良く収穫できていたんじゃないでしょうか。

 

 ところで、そうして精魂込めて世話をしてきた畑で、夏には欠かせない作業がありました。それは水やりです。10個ほどのバケツに雨水をためておいて、夕方になるとこれを両手にそれぞて持った如雨露に汲み入れ、畑に運んで野菜の株元に注ぎます。雨水で足りなければ、お風呂の残り湯を運んできて畑へ。これを怠ると夏の暑さに作物が勢いを失い、枯れてしまったりします。

 一方でちょっと雨が降ると、畑には水溜まりができました。土がグチャグチャになって畑に入ることはできません。雨上がりに畑に入ると深い足跡が残り、長靴はドロドロに汚れます。長靴を洗ってからでないと、とても玄関に戻れません。

 このようなことを繰り返していると、畑の土が固く締まってきます。コチコチです。勢いをつけて突き刺さないと、移植ごてが土に入りません。

 

 そんな状態の畑に、私も母も疑問を持つことはありませんでした。しかし、いよいよ母が高齢となり畑作業が難しくなってきて、これを私が引き継ぐことになり、そして私は「自然農」の考え方を知ったのです。

 

 最初の動機は不純なものだったかもしれません。「畑を耕さない、雑草を抜かない…なんて、楽チンで良いじゃない!」。正直なところ、スタートはそんな動機でした。実際にどんな方法で行なうのか、どのような効果や成果があるのか…、割とハマるタイプの気質の私は、本やネットで色々と調べ始めたのでした。そして、環境と農業の関係について気付いていくことになったのです。

 そうしていくうちに、主に日本で実践されてきた「自然農」と非常によく似た考え方が、海外にも「リジェネラティブ農業(環境再生型農業)」という名前で存在することを知りました。

 

 

 さて、そんなわけで、自然農、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の考え方を取り入れた私の家庭菜園が始まりました。それは2021年の春のこと。耕さない家庭菜園、雑草と共生する家庭菜園、化学肥料も農薬も使わない家庭菜園。試行錯誤しながらやってきて、今年で3年目の春。我が家の家庭菜園にどのような変化があったでしょうか。

 

  • 夏の水やりが不要になりました。
     水やりなどしなくても、雑草に覆われた我が家の家庭菜園の土は、夏の炎天下でもしっとりと湿り気を帯びていることに気付きました。ウチの畑は乾燥気味だと思っていたのですが、実は水持ちの良い土質だと知りました。

  • 雨が降っても水溜まりができなくなりました。
     草に覆われていることもありますが、雨あがりに畑に入っても長靴がドロドロになることはありません。雨上がりの朝の収穫も楽チンです。長靴を洗うこともなくなりました。

  • 土が柔らかくなりました。
     以前は硬く締まった土になっていましたが、現在は移植ごてがサクッと簡単に刺さります。ポロポロと粒になって崩れます。きっとこれが団粒構造というのでしょう。

  • 雑草管理が楽になりました。
     雑草刈り作業はあるのですが、原則として、以前のように根こそぎ抜き取ったりはしていません。また、刈り取った雑草は畝の上に雑草マルチとして敷いていきますので、遠くに運んで処理したりはしていません。排出するゴミの量も減りましたし、雑草管理は格段に楽になりました。

 

 

 「で、収穫は?」…と問われると、ちょっと辛いのですが…(苦笑)。まだまだ私の経験不足・スキル不足で、苗が寒さにやられてしまったり、種蒔きの時期を間違ったり、そんな失敗で収穫はあまり多くはないのですけどね。でも、畑の様子を見ていると良い方向に進んでいると実感します。自然農やリジェネラティブ農業(環境再生型農業)の取り組みは、もともと1年や2年で成果が出るものではなく、何年もかけて自然環境を整えていくものだといいます。最初の数年は収穫が減ることを覚悟しておりました。5年後、10年後くらいに良い畑になっていることを目指して、今は投資のつもりで試行錯誤してやっております。

 

 

 

 自然農、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)を始めてみた我が家の家庭菜園の変化について、つらつらと書いてみましたが、いかがだったでしょうか。

 私のやり方が正しいのか否か、わかりません。いえ、ひょっとすると何が正しいのかなんて誰にも分らないのかもしれません。真似するだけの単純なマニュアルなどないという自然農、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の世界です。多くの方がおっしゃっておられますが、その畑の自然環境と向き合って、観察し、理解を深めて、世界に一つしかないこの家庭菜園にとって一番良い方法を、自分で編み出すことが大切なのだそうです。

 

 自然環境と触れ合う事が好きな方には、自然農、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)、とっても良いと思います。